「チカ、ご飯だぞ」

「ごはん!」

たたたと走ってくるチカ
かわいい、かわいいけどよ

「チカ、」

「?」

「服、着るか」

全裸は流石に危ない
猫だから全裸は当たり前だが
チカは今人間でもある
ばい菌とか入ったらヤバいし
俺も目の付けどころがないしな

今日は休みだし、急遽チカに服を着させよう
飯は後だ、後回し

「Ahー…たしかこの辺に…あった」

新品の黒いボクサーパンツ
ピリッと袋を開けてパンツを取り出す
チカは興味津々にそれを見る
またぺたんと座っているから必然的に上目遣いになる

「とりあえず、これ履いてみろ」

足を入れやすいように腰回り部分のゴムを広げる
するとチカは足を入れてくれた

「Good.」

と、パンツを腰まで持っていき、しっかり履かせた
なんか、子供にパンツを履かすみたいだ

「やぁ!まさむねこれしっぽいたい!」

そう言ってズルッとパンツを下ろしてしまった

そうだった、チカにはしっぽがあった

「わかったから、もう一回履いてくれ
尻尾出すとこ作るから」

「うー…しょーがないなぁ」

よいしょと渋々パンツを履いてくれたチカを今度は後ろに向かせた
で、尻尾の根元ぐらいの所に水性ペンで印をつけてパンツを脱がす
裁ちばさみなんざ家にないから普通のハサミで印を切って穴をあける

「Hey.履いてみな、チカ」

さっきのように腰回り部分のゴムを広げる
足を入れたからまた腰まで持っていく
その穴に尻尾を通して

「しっぽいたくないよまさむね!」

にこにこと笑うチカをみて笑いが込み上げる

「そりゃよかった」

次は適当にTシャツを着せて、ズボンも履かそうとした
ラフで履きやすい短パン
だが履いた瞬間

「やだ!」

「What!?」

ズルッとズボンを脱いでしまった

「どうした?チカ?」

「もうこれ履いたからいいの!」

「Ha!?」

パンツ履いたからズボンはいらんと
そう言っているのか

「チカ、パンツとズボンは違っ」

「やー!」

「って!」

出した手を引っかかれた
地味に痛い
そんなに嫌かまぁ猫だから裸がいいんだろうがよ

「Ah-わかった、じゃぁズボンは履かなくていい」

「う?」

「ただし、小十郎とか客人が来たら他の部屋で待機する、okey?」

流石にパンツで歩いてる奴が俺んちでうろちょろしてるとこ見られたら
俺が恥ずかしい、チカが気にしてなくてもな

「わかったー」

本当に分かってるのかはわからないが
今はチカを信じようか

「よし、じゃぁ飯食うか」

今日のチカの朝食はほうれん草とベーコンのソテー
美味しそうに食べるチカをみて
にやにやとにやけが止まらなかった


あーもう畜生可愛いぜ俺のKitty!







(090815)